
ブレスは大切!!
誰でも知っていることですが、管楽器を演奏する上でとブレスはても大切です。しかし、考えすぎたり、悪い癖がついてしまったり、不確かな情報で苦労している人がたくさんいるのも事実です。
ブレスの基本はいつもの生活の呼吸を大きくし、音楽に対応させるだけの事です。常に自然にリラックスする事を意識して下さい。
ここで普段の生活でしている呼吸を改めて考えてみましょう。
- 生まれてからずっと呼吸している
- 考えなくても呼吸はできる
- 普段はリラックスして呼吸をしている
- 腹式呼吸、呼吸法のことなど考えなくても呼吸はしている
- 吸う時と吐く時のリズムやスピードは一定
- 吸う時と吐く時、息は止まらない
- 鼻で呼吸する
当たり前の事を書き出しました。無意識でやっている事です。簡単ですよね。ブレスはシンプルなのです。それを大きくするだけの事です。ところがこれが楽器を吹くとなると、腹式呼吸、呼吸法の名前がついてしまい、難しく考えてしまう場合が多いのです。ブレスはシンプルです。
ただし、1点だけ「鼻で呼吸する」が気になったと思います。体のパーツで呼吸をする道具は鼻です。鼻から息を吸うと体は勝手にリラックスしますし、たくさん吸えます。ただ楽器を吹くとなると鼻からだけでは足りないので口から吸います。
ブレスのポイント
ブレスで重要な事が4つあります。理解して実行しましょう。
1 フルブレス(Full Breath)
- フル(Full)は満タンの事。肺を空気でいっぱいにする事で楽器を吹く上で必ず必要な事です。フルブレスをすれば、音色が良くなり、安定します。でも必ずリラックスする事です。慣れないうちは、息が余るような時(pで一発だけ吹く時など)でもフルブレスをして習慣にしましょう。
- 体が大きい人、小さい人、男女差など、それぞれ肺活量は異なりますが、何cc吸えば大丈夫と言う事はありません。自身の体の大きさでフルブレスをする事が重要なのです。例えば身長150cmの女性の肺活量が2500ccとした時、彼女のフルブレスは2500ccです。反対に身長190cmの男性の肺活量が8000ccとした時、彼のフルブレスは8000ccになります。そしてこの190cmの男性が4000ccを吸った時、フルブレスではないので良い音にはなりません。身長150cmの女性が2500ccを吸った方が良い音になるのです。
- 胴体の断面図を見ればわかることだが、肺は肋骨に囲まれるように配置されています。肋骨に囲まれた「立体空間」の中に、肺は存在しています(図1)。肺は決して平面などではなく、奥行きがあり立体的です。自分の体で肺の場所、大きさを認識する事が大切です。肺は立体的に肋骨の内側に存在するのです。特に何もせずに、その事実を知っただけで息をたくさん吸えるようになります。人間の脳と体の関係は不思議ですよね。これをボディ・マッピングと言います。体の地図を脳の中で作る(想像し感じる)ことです。
- フルブレスの感覚を感じる方法
- 息をたくさん吸う感覚が本当に自分の状態で良いのか、疑問に思う時があると思います。喉を開けてとか、言いますが、それは正しい事とは思います。しかし、いきなり喉を開けようとしても人間の体の仕組みとしては非常に難しい事です。シンプルな事からアプローチをします。
- まず、息をドンドン30秒くらいかけて吐いていって下さい。もう無理と思ったらその状態で10秒くらい息を止めて置きます。苦しいですね。苦しさが頂点に達したら息を思いっきり吸いましょう。どうですか?勝手に息が体に入っていきますね。喉も開いているはずです。人間の体は息を吸いたくなったら勝手に吸える物なのです。
- もう一つのやり方です。今度は息を何回かにわけて吸います。1回息をたくさん吸いそのまま2.3秒息を止めます。次にまたちょっと吸います。少しは吸えますよね。これを2〜4回繰り返してドンドン吸います。たくさん吸ったと思っても、あともうちょっと吸えるのですね。それが人間の体の仕組みなのです。これは最初は体が固くなってしまいますが、実際の演奏ではこのように息を吸う事はありませんので、普段の息使いはリラックスする事を忘れずにお願いします。
- 注意点があります。上記の事柄はフルブレスを体感する行動なので、息を止めていますが、実際の演奏で息を止める事はありません。
2 最初のブレスはフルブレス
- 演奏し始める時はフルブレスをします。曲を演奏していて、1小節でも休みがあった後に演奏するときも最初のブレスと考えフルブレスをします。でも必ずリラックスして下さいね。
3 リズミックブレス(Rhythmic Breath)
- 息を吸う時にテンポで吸う事です。練習時は基本的に四分音符単位で吸います。息を吸ったときから(音を出す前から)リズムを感じる事ができるので音楽に乗り遅れる事が無くなります。テンポで息を吸うので、自然に吐くときも同じスピードで息を吐く事ができます。
- 人間の体のシステムとして、吸うスピードと吐くスピードは自然に同じになります。そのスピード感は音楽のスピード感です。余計な事を考えずにリズミックブレスすれば自然にその音楽にあったリズム感。スピード感で吹く事ができます。
4 リラックス
- 特にフルブレスをすると人によっては力んでしまいがちです。よく子供に「息をたくさん吸って」って言うと力みまくりますね。大人もそうなる方がいます。フルブレスしてリラックスをできるように練習しましょう。
呼吸法、腹式呼吸という言葉に惑わされないように!!
以外に、正しい呼吸法とか、腹式呼吸と言う言葉に惑わさせられている(だまされる)事が多いのです。楽器を演奏する為に必要な呼吸は前述したように、普段のリラックスした生活の呼吸を大きくしただけです。ですから誰でも簡単にできるのです。しかし、呼吸法とか腹式呼吸などの言葉でなんだか難しい事のように感じてしまうのです。そして、「腹式呼吸とか呼吸法を説明してほしい」と尋ねると分かりやすく説明できない方が多いのも事実です。言葉だけを知っていて理解していないのですね。
ちなみに僕はレッスンを受けている時に、呼吸法とか腹式呼吸とかの言葉は聞いた事がありません。レッスンを受講する仲間に聞いても、聞いた事がないと言っていますね。この事でも言葉に惑わされているのが大きいと思います。
以下のような表現や練習を見聞きした事ありませんか?実はあまりよくない表現です。
息をお腹に入れる・・・
実際お腹に入ったら病気です。息は肺にしか入りません。改めて、肺の場所を確認しましょう。下はみぞおちの部分まで、上は鎖骨より上まで伸びてきています。この部分に空気を入れるのですね。肺の場所を認識できたら、そこに空気を入れようとして息を吸って下さい。具体的に場所が分かると呼吸をしやすくなります。図1
息を吸ったらお腹が出る・・・
間違いではありませんが、ほんの少しです。お腹が動くのは息を吸った結果動くので、動かすのが目的ではありません。時々息を吸う事を無視してしまってお腹が動く事のみに意識をしているのを見ます。リラックスしてたくさん息を吸った結果、お腹が少しだけ動きます。以前シュトレッカー(ウィーンフィル)のレッスンを受けた時に「息を吸ったらどこが動くのか?」と聞いたら彼は自分で自分の体のいろんな所を触り呼吸をしてから「お腹が少しだけ出る」と話してました。この事からもお腹は意識していないと言う事が分かりますね。そして多く動くのは肺がある胸です。下記のブレスビルダーの使用法を動画で見て胸が動いているのを確認して下さい。
腹筋のトレーニングをする・・・
腹の上に乗って息をしたり、寝転がって上半身を起こしたりする腹筋のトレーニングは直接呼吸には関係ありません。ボクサーのトレーニングみたいですね(笑)ただの健康法です。ですからやらないよりはやった方が良いです。特に僕のようにお腹が出てる人はやった方が良いです(^^;)でも呼吸法には何ら関係ありません。むしろ力んで呼吸をする悪い癖をつける練習になりかねません。要注意です!!
トレーニングとしては、走ったり、早足で歩いた方がよほど健康的で、呼吸に良い影響が出ます。息がハアハア言うくらいの運動が必要です。特に水泳は呼吸と体力作りに大きな成果が出ます。
肩は動かしてはいけない・・・
肩は後ろに動きます。図2を見て下さい。肺がある場所を図1でもう一度確認して下さい。肺の上部は鎖骨の下まできています。肺は風船のように膨らむので鎖骨は押し上げられ、鎖骨が繋がっている肩の関節が後ろに押されて動きます。肩が上に動くのはリラックスせず力んでいる証拠です。よくないです。
横隔膜を下げて息を吸う・・・
正しい事ではありますが、実際に横隔膜がどこにあるか知らない場合が多く、また横隔膜の位置をしっかり理解するのは、よほどトレーニングを積まないと分かりません。実際に横隔膜を動かす筋肉は、背骨についていて3、4cmの小さい筋肉です。そこを意識するなんて本末転倒になりかねません。
横隔膜を意識するより、リラックスして息を吸えば勝手に横隔膜は下がります。人間の体のしくみはそのようにできているのです。
結果、リラックスしてたくさん息を吸いましょう。と言う事ですね。
ブレストレーニングの器具
世間にはブレストレーニングの器具はいくつか出ています。僕がいつも使用している道具の使用例を動画で解説します。
ただ、その道具を使うだけでなく、何の為に、どこを注意して、どんな効果があるかを理解すると効果は上がります。
よく誤解をしている方がいるのですが、肺活量を増やす為の道具ではありませんのでご注意ください。
肺活量について
ちょっとだけ注意していただきたいのが、世間で販売しているブレストレーニングの器具はすべて有効かと聞かれれば、そうでない物も有ります。スポーツに特化した物と、音楽を演奏する為のトレーニング器具は、共通する分も有りますが。共通しない部分も有ります。
具体的に商品名を上げてしまうと問題が生じますので、商品名は出せません。このサイトで紹介しているのはお勧めしていますよ。
我々の練習が、どこにポイントが有るかを考えれば、対応策は見つかってくると思います。息を吐く時は体はリラックスさせるのが基本的な考えです。息を吐く時に過剰に負荷を掛ける道具は、僕はお勧めしません。実際にそれを使った生徒のほとんどが、息を吐く時に「力んでしまう」非常に悪い癖を付けてしまっています。一生懸命ブレストレーニングをしているのに、悪い癖を付ける道具になっているのですね。
見つけ方は簡単です。息を吸う時に負荷を掛け、息を吐く時には負荷がかからない道具を使えば良いのです。
ご一考お願いします。
ブレスビルダー リラックスして呼吸するトレーニングする為の道具です。健康体を作る為に病院でも使われているそうです。肺活量を増やす器具ではありません。しかしゴム風船のような肺を、積極的に動かす事によって、固まる事なく柔軟な肺になりますので。楽な呼吸ができるようになります。
チューブを歯で軽く噛んで使います。これは楽器を演奏する時は、歯の間を空けますがそれを自然にできるようにする為です。
息を吐いた時、吸った時、どちらでもピンポン球は上がるようになっています。息が止まらないようにするのを実感する事、息を出し続ける(吸い続ける)事を確認する事を意識して下さい。口の両端を閉じチューブに息を送り込む事で、リラックスして楽器を吹く感覚を体で覚えます。
主に使い方は3通りあります。常にフルブレスです。
(え〜〜っと、すいません。。。ぼくのお腹が出ているのは差し引いて見てくださいね。)
マウスピースを使ったウォームアップと同じです。
1.ゆっくり呼吸する
2.早めに呼吸する
3.ピンポン球を吸って上げる(リラックスを忘れずに)
悪い例 力が入っていてリラックスしていない
ブレスバッグ(エアバッグ)
この項目は書きかけです。後日追加します。
ブレスバッグ もともとは医療器具ですが、管楽器奏者にとって大切な息使いを視覚的に覚えるのに、非常に効果的です。
肺活量を増やす道具と勘違いされている方も多いですが、それは違います。楽器を吹くのにどんな息使いをすれば良いのかを、身体で覚える為のものです。しかし、難しい事ではなく、普段の生活でするリラックスした呼吸を大きくするだけの事です。
ブレスバッグ、エアバッグ、ブリージングバッグの呼び名がありますが、どちらでも同じです。
いつもフルブレスをします。吐くときは肺の中の空気を全て残らずブレスバッグの中に移動します。すう時はその反対で、ブレスバッグの空気を全部残らず吸いきってください。常にリラックスする事を忘れずに。途中で疲れたら休みましょう。メトロノームは♩=60です。
動画では4拍で吸い、4拍で吐く。3拍で吸い、4拍で吐く。をしています。それ以後は以下のメニューで練習してください。
| 吸う | 吐く |
回数 |
| 4拍 | 4拍 |
7回 |
| 3拍 | 4拍 |
7回 |
| 2拍 | 4拍 | 7回 |
| 1拍 | 4拍 | 7回 |
| 1拍 | 3拍 | 7回 |
| 1拍 | 2拍 | 7回 |
| 1拍 | 1拍 | 2回(1拍では吐ききれないので最後の仕上げのつもりで) |
ボルディン5000
この項目は書きかけです。後日追加します。
息を吸う量をはかる道具です。医療器具ですが、とても良い道具です。
どのくらいの息の量を吸っているかが具体的に目で見てわかります。本当にフルブレスをしているかが実感できます。
ポイントは自分はどれくらいの空気を吸えるのか?をチェックする事です。人より多い、少ないはさほど関係ありません。大切なのは自分で最大に吸える量を吸う事がフルブレスであるのを、認識する事です。
フルブレスをしようとすると力が入ってしまう事が多いです。ご注意願います。
そして一番大切なのが、ボルディン5000でフルブレスの感覚を身につけたら、楽器を吹く時にも同じように息を吸う事です。この練習は当然ですが、楽器のコントロールをしやすくする為なので、別々の意識にしない事です。
肺活量について
スピロメーター
この項目も書きかけです。少々お待ちください。
スピロメーターは、吸った息がしっかりとマウスピースに入れて演奏しているかを、目で見て確認できる道具です。息を吸っただけでは、トロンボーンは吹けませんから。生徒の多くは息を吸っているのに吐いていない人が多いのです。
スピロメーターを使っている時は、楽器を吹いている時と同じ状態なので、ピンポン球が下に落ちている時は「息が入っていない」=音が出ない、と言う事になりますね。
スピロメーターを使って息を使った演奏を覚えてください。
使い方は何通りもありますが、まず一番大切な吸った息を楽器に入れる事ですね。それを目で見て確認できます。簡単に解説の動画を見てください。中に小さなピンポン球が入っていますが、音が出ている時にそれが上がっている事を確認してください。
デモンストレーションとして、おじいさんの古時計の最初の部分をバズイングします。
肺活量について
よく勘違いされている事は、肺活量が多いと上手になると言われていますが、楽器を演奏する上ではそんな事はあまり関係ありません。今までに書いてきたように自分のサイズの肺を空気で一杯にする事が大切で(フルブレス)、そして吸った息を上手に使うのが大切なのです。
肺活量が多いと上手なら、大きな男性はは上手で小柄な女性は上手でないってことになりますね。でも世の中は、そうでない事はこれを読んでいる皆さんがよく知っている事です。小柄な女性でも名プレイヤーがたくさんいらっしゃいますよね。
肺活量の平均は年齢と身長と性別でおおよそ決まってきます。ずっと書いてきたフルブレスの参考の為に肺活量の数字を出す数式を書いておきます。厚労省によると、以下の計算式が使われます。
男性={27.63−(0.112×年齢)}×身長
女性={21.78−(0.101×年齢)}×身長
18歳以上の成人の場合
とされています。
つまり、30歳身長170cmの男性の場合
{27.63−(0.112×30)}×170 となり計算すると
4125.9という数字が出ます。ですので約4100ccの平均肺活量がある訳です。
上記の例の30才男性が楽器を吹く為のフルブレスは、4100ccなのです。肺活量自体は年齢、性別、身長によって変化するので、3000ccがフルブレスの人、5000ccがフルブレスの人と、様々な個人差があるのは当然なのは理解できると思います。





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