東京ブラスカルテット
Tokyo Brass Quartet

establishment 2021

プログラム&曲目解説

すぎやまこういち(1931~2021)
ドラゴンクエスト序曲(1986) 編曲:沼田司

 
みなさんこんにちは。
「文化芸術出前講座 in 日立市立久慈小学校」始まります。
 
オープニングはほとんどの方が聴いたこともあり、遊んだこともあるであろう、ドラゴンクエストの「オープニング序曲」でスタートいたしました。
最後までごゆっくリと鑑賞くださると私たちも嬉しいてす。
 
昨年の、2021年7月23日、2020年東京オリンピック 会式の各国入場行進曲として『ドラゴンクエスト』が使用されたのは記憶に残ります。
 
2021年5月27日に第12作目が世界同時配信され大きな話題を呼びました。
54歳の時に作曲した「すぎやまこういち」さんは、「序曲」のメロディは5分で完成しましたと言っていました。その事を「54年と5分て出来た曲」と表現していました。それは、それまでの54年の人生があって初めて「5分て序曲を生み出すこと」がてきたという意味です。
 
「すぎやまこういち」さんは、この楽曲で一番苦労した部分は、本来ならばオーケストラて演奏する編成を、当時のファミコン音源の3音へ絞り込む作業だったと言っていました。逆に考えれば、オーケストラの壮大な楽曲を、3つの音だけで表現できるようにしたことが、素晴らしい音楽性と思います。
 
彼の両親が音楽好きだったことから、幼少の頃から音楽に親しんでいました。また両親がゲーム好きだったことから、物心がついた頃から自身もゲーム好きだったそうです。


ジェレマイア・クラーク(1674~1707)
トランペット・ボランタリー 編曲:坂井 俊博

Trumpet voluntary
Jeremiah Clarke
 
ジェレマイア・クラークはイングランドの作曲家。鍵盤楽器のために作られた『デンマーク王子の行進』が最も有名です。
「ヴォランタリー」とは、教会の礼拝前後とその合間に演奏されるオルガンの曲のことてす。結婚式の音楽に用いられることもあります。
この曲はイギリスのアン女王の夫カンバーランド公ジョージのために作られ、一般には『トランペット・ヴォランタリー 』の名で知られてます。
 
当時の日本:江戸時代初期、五代将軍 徳川綱吉。延宝、天和、貞享 、元禄、宝永時代。
赤穂浪士、松尾芭蕉「奥の細道」 近松門左衛門 「人形浄瑠璃曽根崎心中」
 


ポスト・ホルン・ギャロップ
ヘルマン・ケーニヒ(1827-1898)  編曲:沼田司

Post Horn Gallop
Herman Koenig
 
作曲者のケーニヒはなかなか資料が見つからず、「ポスト・ホルン・ギャロップ」の作曲者として知られています。
 
今回はこの曲を使用して、金管楽器の音の出る仕組みを解説します。
 
金管楽器の音の出る仕組みは、唇の振動を管に伝えて大きな音にする。というシンプルなものです。 金管楽器の祖先は新石器時代のメガフォン型ラッパにさかのぼり、 エジプト王朝時代には金属製の軍用ラッパがすでにありました。この時期までの 楽器はホルンともトランペットとも区別なく存在していました。
 
では、このシンプルな金管楽器を家庭にあるものを使って「おもちゃのトランペット」を作りました。
 
材料
液体を詰め直す時に使う「じょうご」理科の実験で使う「ロート」とも言いますね。
Amazonで¥500 ーでした。
それと、近所のホームセンターで買った、1m  ¥100ーくらいのゴムホースをトランペットの長さの約142cmに切りました。
最後はどの金管楽器についている、唇に当てるマウスピースを挿します。
トランペット用は¥50009くらいですが、練習用のプラスチックのものは千円くらいで買えます。
ては、どんな音がするでしょうか?実際に聴いてみてください。

 

アントン・ブルックナー(1824~1896)
モテットよりロクス・イステ「この場所は神によって造られた」  編曲:沼田司

Joseph Anton Bruckner
Motets Locus iste
 
オーストリアの作曲家、オルガニスト。敬虔なカトリック教徒であり、交 曲と宗教 楽の大家として知られる。
特にモテット の完成度の高さは類を ない。「静から動へ• そして静へ」と表現されることが多い。
 
当時の日本:江戸時代後期、いわゆる幕末の時代。文政、天保、弘化、嘉永、安政  黒船来航 、万
 、江戸城火災や桜田門街の変 、文久  、元治 甲子革令 、慶応 大政奉還  、明治時代。
 


ジョヴァンニ・ガブリエーリ(1554または1557 ~1612)
カンツォン・ペル・ソナーレ2番

Giovanni Gabrieli
Canzona per Sonare No.2
 
「カンツォン」はルネッサンス音楽期に発達した楽曲形式の一つです。
「ペル・ソナーレ」は「響き渡らせる」「共鳴する」を意味しています。
ガブリエーリはイタリアの作曲家・聖マルコ大寺院の首席オルガニスト。当時最も影響力のあった音楽家であ
リ、ヴェネツィア楽派の頂点に立ってルネサンス音楽からバロック音楽への過渡期を代表する存在でした。 
国、とりわけドイツ 圏から留学生を受け入れ、様々な作曲技法を国外に広めました。
 
当時の日本:安土桃山時代から江戸時代へ。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康らが活躍 。天正、文禄、慶長、元和(ここから江戸時代)。
 


フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブックより
ジャイルズ・ファーナビー (1560~1640)  

Fitzwilliam Virginal Book 
Giles Farnaby
 

 The Old Spagnoletta  古いスパニオレッタ   編曲:沼田司
 The New Sa-hoo      新しいサフー      編曲:沼田司

 
フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブックはイングランドにおける鍵盤楽器の楽曲の筆写譜であり、エリザベス
朝からジェームズ1世時代、すなわちルネサンス末期から初期バロックにかけての鍵盤楽曲の一次資料の一つです。
この曲 は主に卓上の鍵盤楽器用に書いたものが主流なので簡単に弾けるものが多いのですが、音楽的には素晴らしいものが多い曲集であることには間違いありません。
曲集のタイトルは、この曲を入手し、1816年にケンブリッジ大学に寄贈したフィッツウィリアム子爵にちなんでいます。
 
収録作品の年代は、1562年ごろから1612年ごろまての半世紀で、多くの作曲家の楽曲が収録されています。
収録曲はたいてい小品で、その多くは楽しく印象深い題名がついています。
 
ジャイルズ・ファーナビー作曲の《古いスパニオレッタ》
「スパニオレッタとはスペイン 」という意味で、シチリア島の 曲「シチリアーナ」とよく似た、ゆったりとした3拍子または2拍子の 曲です。
《新しいサ・フー》 
サ・フーとは特に意味もなく、何かの物の名前と思われます。
 
当時の日本:戦国時代から安土桃山時代をへて江戸時代へ。1560年桶狭 の戦い。織田信長、豊臣秀吉、徳川家
康らが活躍。1603年から江戸時代となる。


山田耕筰(1886年〈明治19年〉ー1965年〈昭和40年〉)

日本語の抑揚を活かしたメロディーで多くの作品を残した。日本初の管弦楽団を造るなど日本において西洋音楽の普及に努めた。また、ニューヨークのカーネギー・ホールで自作の管弦楽曲を演奏、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団やレニングラード・フィルハーモニー交響楽団等を指揮するなど国際的にも活動し、欧米諸国でも名前が知られています。
 

あわて床屋  編曲:沼田司 

1923年に発表。内容はカニの床屋と、客であるウサギのユーモラスなやりとりが面白おかしく描かれており、子供達にとって親しみのもてる内容。戦前からレコードが複数発売されており時代を越えて歌われている童謡である。
 

竹田の子守唄  編曲:沼田司
京都市伏見区竹田地区に伝わる民謡

およびそれを基にしたポピュラー音楽の歌曲である。赤い鳥をはじめ、日本のフォーク、ロック歌手たちによって数多く演奏されている。
赤い鳥が1971年にシングル・カットし、A面に「竹田の子守唄」、B面に「翼をください」を収録し、3年間でミリオンセラーとなったのが、とても有名になったきっかけです。
 

瀧廉太郎(1879年〈明治12年〉~1903年〈明治36年〉)

日本の音楽家、ピアニスト、作曲家。明治の西洋音楽黎明期における代表的な音楽家の一人である。
 

花(はな)  編曲:沼田司

日本の明治時代に作成された楽曲。もともとは1900年(明治33年)11月1日付に共益商社出版から刊行された瀧廉太郎の歌曲集(組歌)『四季』の第1曲であった[。
東京都墨田区では、本曲を「区民の愛唱歌」に指定している。隅田公園の台東区側には本曲の歌碑がある。
 
初版の序文で瀧廉太郎は、「(当時作られていた)日本の歌曲は、教育用の学校唱歌ばかりで質の高いものが少ないため、微力ながら日本語の歌詞に作曲した曲を世に出すことによって、日本歌曲の発展に寄与したい」という趣旨の発言を残している。


ヴィットーリオ・モンティ(1868年~1922年)
チャールダーシュ(チャルダッシュ)  編曲:沼田司

Vittorio Monti
Csárdás
 
チャールダーシュまたはチャルダッシュは、ハンガリー音楽の、ヴェルブンコシュから派生したジャンルである。ハンガリー語で「酒場」という意味のチャールダ(csárda)に由来する。
ヴェルブンクとヴェルブンコシュ(どちらもハンガリーの踊りの一種)は兵士が居酒屋(チャールダ)で兵士募集のために踊り、それが農民の改作も交えて次第に芸術的要素を増していき、19世紀にロージャヴェルジらによりチャールダーシュとなった。
 
19世紀にはウィーンをはじめヨーロッパ中で大流行を極め、ウィーンの宮廷は一時チャールダーシュ禁止の法律を公布したほどだった。
その遺産は、当時作られた内外の作曲家によるオペレッタ、ヴァイオリン曲の中になお今も見ることができる。
今回はメンバー全員がソロを担当するようにアレンジしました。特に日本が誇るトランペットの名手、坂井俊博氏
には、あえて超雑技巧を書きました。最後の曲をお楽しみください。
 
当時の日本:1867年(慶応3年)徳川慶喜が、将軍が自ら政権を天皇に返上するという、世界的にもとても珍しい政治革命「大政奉還」をする。翌年の1869年 鳥羽・伏見の戦いを機に戊辰戦争が始まる。この頃、明治維新、五箇条の誓文 、江戸を東京と改称し、長く続いた江戸時代から明治時代となる。

ご注意とお願い

上記プログラムは東京ブラスカルテット結成した第一回目の曲目です。
他にも幅広いレパートリーがありますので、お気軽にご連絡ください。
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